ワインを選ぶ際に商品説明によく出てくる言葉が"タンニン"です。そこでワイン初心者のあなたに、味や保存など、熟成過程における重要なタンニンの役割について、分かりやすくご説明致します。
タンニンについて造詣を深める事でより、あなた好みのおいしいワインの銘柄を選ぶ為の1つのポイントにもなります。
タンニンとは?


また抗酸化成分のポリフェノールの一種でも有ります。
そしてワイン以外にも、緑茶に含まれている"茶カテキン"や、渋柿に含まれている"柿渋"も、タンニンを代表する成分です。
役割について
次にワインにおけるタンニンの役割については以下の通りです。
収れん作用
実はタンニンは渋みを感じる成分です。しかしそれ単体で"渋み"を感じるのではなく、舌や口の粘膜のタンパク質と結合する事で、あのワインを口に含んだ時の独特の強い渋みの味を感じる訳なのです。
濃厚な味を醸し出す
ワインに含まれているタンニンには、味に渋みを持たせる反面、パンチの効いた濃厚なまろやかさを演出してくれる重要な役割が有ります。
この濃厚さの舌触りを表現する方法として、「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」と言った、3つの表現がよく使われます。
ライト>ミディアム>フルの順番で、舌に伝わってくる濃厚な深みが増してきます。
当然それに匹敵してタンニンの含有量も多くなってきます。
それとワインは熟成が進むにつれて、味がまろやかになって行きます。
その理由は、熟成当初タンニンは、苦みの強い低分子で存在していますが、熟成が進むにつれて渋みの強い高分子へ。そしてその後タンニンの含有量が一定ピークに達すると今度は、口当たりが非常にまろやかな物になって行きます。


よって熟成が進んでいない若いワインは、味もライトで飲みやすい反面、苦みや渋みが強いのは、そのせいです。
※ちなみにタンニンは、発酵が進むと高分子になるので、その重さで樽や瓶の中で、澱(おり)となって底へ沈んで行きます。
酸化を防ぐ
タンニンはワインの熟成において酸化を防ぐ非常に重要な役割が有ります。
酸化が進むと当然ワインの味が酸っぱくなってきますし、香り自体も失われやすくなります。
赤色の安定
赤ワインの場合、赤や黒ブドウに含まれているポリフェノールの一種であるアントシアニンの色素によって、ワインの色が赤くなります。


そこで赤色色素の安定化に寄与しているのが、タンニンです。
タンニンと結合する事でアントシアニンは酸化されにくくなり、ワインの赤色がより安定的な物になります。
木樽にも存在する?
ワインにはブドウ由来のタンニンが多く含まれていますが、実はブドウ由来だけではなく、熟成時に使用する木樽由来のタンニンも、多く含まれています。


まとめ
以上の通りタンニンには、ワインの熟成において、単に渋みを舌を通じて感じさせるだけの役割があるのではなく、味に濃厚なまろやかさや、酸化を防いで保存性を高めたり、赤色色素「ポリフェノール」の安定化にも寄与してくれる事がわかりました。


熟成過程の面からその理由を説明すると、
一方の白ワインは、赤ワインと違って、より渋みの少ない、ライトな感じの飲みやすい味わいに仕上げる為に、果皮や種を取り除いた状態で、熟成させて行きます。
※ちなみに赤・白・ロゼにおけるポリフェノールの含有量は、以下の通りです。
ワイン種類 | タンニン含有量 (100ml中) |
---|---|
赤ワイン | 216mg |
白ワイン | 32mg |
ロゼワイン | 82mg |
赤ワイン>ロゼ>白ワインの順番で、圧倒的に赤ワインにはタンニンを含む、ポリフェノールが多く含まれている事がわかります!
よって、より多くのタンニン(ポリフェノール)をワインから摂取した場合は、赤ワインがおすすめです!